川田俊男
国連の生物多様性条約事務局は12日、生態系の保全や種の多様性を守るために2030年に向けて各国が取り組む新しい目標案を公表した。世界の陸域と海域の30%以上を保護区にすることなど21項目を盛り込んだ。今年10月に中国で開かれる生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で、各国が交渉する土台となる。
10年に名古屋市で開かれたCOP10では、20年までの目標として陸域の17%、海域の10%を保護区にするとした「愛知目標」を定めた。今回の30年に向けた次期目標案は、愛知目標の達成を前提に20年目標から陸域で約2倍、海域で3倍に引き上げることになる。ほかに侵略的外来種の侵入や定着を少なくとも50%削減し、影響を減らすことなども掲げた。
6月に英国で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)では、日本を含む先進国が30%目標に合意。COP15では、新興国や途上国を巻き込んで合意できるかどうかが焦点の一つになる。途上国支援を含め、対策のための資金を年間2千億ドル(22兆円)に増やすことなども目標案に盛り込んだ。(川田俊男)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル